Freedom Houseによる報道の自由度のスコア推移(2001-2016)

報道の自由度が悪化し続ける日本

2001年のトータルスコアは17であったが、2016年には27にまで悪化している。
この間、経済スコアが改善しているものの、法的スコアと政治スコアが共に悪化しており、特に政治スコアの悪化は顕著である。
法的スコアは小泉政権下で若干悪化したものの2004年に一旦改善している。しかし、民主党政権下の2012年に2ポイント悪化し第二次安倍政権下の2013年にさらに悪化している。法的スコアの悪化は秘密保護法が原因。
政治スコアは小泉政権から第一次安倍政権にかけて急速に悪化している(7→13)。民主党政権下の2011年にも悪化しているが、これは東日本大震災原発事故に関する報道管制や中国漁船衝突事故のビデオ流出に関する秘密漏洩に関する処罰言及の影響。第二次安倍政権下の2015年にも悪化しているが、これは放送法適用に関する総務省発言の影響。

自民党政権(2001-2009)で4ポイント悪化(17→21)、民主党政権(2009-2012)で3ポイント悪化(21→24)、自民党政権(2012-2016)で3ポイント悪化(24→27)とトータルスコアは一貫して悪化しており、2001年から2016年までの悪化は10ポイントに達する。
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韓国は朴政権下で自由度が悪化

韓国の報道の自由度は日本よりも悪いものの、2001年のトータルスコアが30であり、2016年でも34と、悪化は4ポイントに留まっている。
経済スコアについては日本と同様に改善傾向にあるものの、未だ日本よりは悪い値である。
トータルスコア悪化の大きな要因は、法的スコアであり、2001年から2016年までに8ポイント悪化している(3→11)。政治スコアについては時折改善することもあるが、全体として悪化傾向にある(11→14)。
トータルスコアとしてはやや悪化の傾向にあるものの、日本の悪化傾向に比べて緩やかであり、日本との差は徐々に縮まっている。
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台湾は馬国民党政権下で悪化したが、蔡民進党政権で改善

台湾の報道の自由度は時期によって増減している。馬英九国民党政権時に悪化したが、蔡英文民進党政権になった改善傾向が見られる。法的スコアは2001年時点では日本や韓国よりも悪かったが、日本や韓国の法的スコアが悪化する中、台湾の法的スコアはほとんど変化していないため、相対的に台湾の法的スコアは韓国よりも良くなり、日本との差も縮まっている。政治スコアについては、2001年から日本や韓国よりも良い値をとっており、日本や韓国の政治スコアの悪化と共に、相対的に台湾の政治スコアは良い値となっている。経済スコアについてはほぼ日本と同レベルであり、改善しつつある韓国とも同じレベルで推移している。
台湾の2016年のトータルスコアは25であり、日本(27)よりも良いスコアである。
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ソース:https://freedomhouse.org/report/freedom-press/freedom-press-2017