外貨準備高の推移(日本・中国、2007年~2016年)

2016.12.26 07:21更新

中国「外貨準備高」減少にトランプ旋風追い打ち 「為替操作国」認定なら悪夢

 中国の外貨準備高の減少に、今後、米次期大統領の「トランプ旋風」が追い打ちをかけそうだ。
 トランプ氏が当選した11月以降、米国経済への期待感から人民元は他の新興国通貨と同様に対ドルで急落した。中国が外貨準備で保有する米国債などドル建ての債券の価値も、大幅に目減りしている。元安でも輸出は増えておらず、中国にとってはダブルパンチとなった。
 米財務省が発表した国際資本収支統計で、10月末時点の米国債の保有高は日本が中国を抜いて2015年2月以来、1年8カ月ぶりに首位になった。中国が米国債の保有高を減らしたことが明らかになっている。
 加えてトランプ氏は、大統領就任直後に中国を「為替操作国」に認定し、元安に対抗する方針を表明している。トランプ政権の圧力に屈して、中国が大幅な元高誘導を強いられると、人民銀行は元買いドル売り介入を増やす必要があり、外貨準備高はますます減るという悪夢が待っている。
 こうした外貨準備高の減少ペースが加速すれば、19年にも中国の外貨準備高は2兆ドルを割り込みピーク時から半減、21年には再び日本を下回る可能性すらある。 (上海 河崎真澄)
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http://www.sankei.com/world/news/161226/wor1612260009-n1.html


河崎真澄記者のいう「こうした外貨準備高の減少ペースが加速すれば、19年にも中国の外貨準備高は2兆ドルを割り込みピーク時から半減、21年には再び日本を下回る可能性」というのは、多分直近2年に外貨準備が約1兆ドル減少していることを根拠にしているのだろう。

日本の外貨準備高
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*1

2016年末に3兆ドルである中国の外貨準備高が、2年後の19年にはさらに1兆ドル減少して「2兆ドルを割り込み」、さらに2年後の「21年には再び日本を下回る」という読みだ。しかし河崎記者は言及していないが、日本の外貨準備高は約1.2兆ドルで現状は中国の半分にも満たない。
河崎記者の予測はあまりにも粗雑だ。

中国経済は危ない』という印象操作さえ出来れば記事の信憑性などは必要ない、というのはいかにも産経新聞らしい。

第二次安倍政権期で外貨準備高は目減り

福田政権(2007/9→2008/9):9456億ドル→9959億ドル
麻生政権(2008/9→2009/9):9959億ドル→1兆526億ドル
鳩山政権(2009/9→2010/6):1兆526億ドル→1兆502億ドル
菅政権(2010/6→2011/9):1兆502億ドル→1兆2006億ドル
野田政権(2011/9→2012/12):1兆2006億ドル→1兆2681億ドル
安倍政権(2012/12→2016/11(継続)):1兆2681億ドル→1兆2193億ドル



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